優駿牝馬(オークス)直前予想|何が逃げるのか?|まとめ
 
 
シングンジョイは逃げるのか?
 

 【馬じぃの継続は非力なり】「やっぱり逃げ馬かあ」。ヴィクトリアマイルのゴール後のつぶやき。ま、3連単2070万円などは別世界のできごとで、ワイドでも大穴をズバリ、それも「レースが終わってから予想したのでは?」と疑いたくなるほど鮮やかだったゴルゴ松本さんには敬服するばかりだが、改めて大昔に菊池寛が説いた格言も思い起こさせてくれた。皆が穴だ穴だというのは本当の穴馬ではなく、穴人気という人気の一種で、真の大穴は天の一角から降ってくる-そうだから。

 超爆穴を演出したのは3着に逃げ粘った最低18番人気のミナレット。JRAのこれまでの最高配当は3年前の新潟新馬戦での2983万円だが、このレースの勝ち馬がなんとミナレットで、17頭立て14番人気だった。今回、超爆穴的中者で、そこまで記憶して狙った人がいたとしたら、脱帽してひざまずきたい。さすがのゴルゴさんも、ミナレットの「前歴」までは思いが及ばなかったようだが、こんなことって、あり?

 とまあ、他人の予想や、勝ったストレイトガールの戸崎圭太騎手まで仰天した超爆穴の的中者のことを、いつまでも褒め殺したり、羨ましがっていても仕方がない。ほらほら、日曜はオークスだよ。

 桜花賞でルージュバックを負かす馬として◎に推し、期待に応えてくれたレッツゴードンキが2冠目を狙っての再出陣、絶好の最内枠を引いて、またまた有望か。ただ、あまりにツキが良すぎて、かえって不安。逃げなくてもOKと陣営がいうように、上位人気必至の今回は控えそうで、これが裏目に出て勝ち損なう予感がする。

 波乱続きの牝馬GI、今回の主役は裏街道組からとみて、サンスポ賞フローラSを勝ち上がってきた(5)シングウィズジョイに目をつけた。オークスは桜花賞組上位が常識だが、フローラS組も2010年にサンテミリオンがアパパネと同着Vなど、前5年で6頭が馬券に絡んでいる。

 シングウィズジョイは前走、東京2000メートルで2番手から早めに抜け出す積極策で押し切るなど、先行力と粘り強さが売りで、陣営は今回、逃げもありともらしているとか。2連勝している内田博幸騎手との相性も良く、父マンハッタンカフェ、母父シンボリクリスエスの血統も魅力十分で、「やっぱり逃げ馬かあ」…ならこれ。

 ■品川達夫(しながわ・たつお) 昭和44(1969)年、夕刊フジ創刊と同時に競馬欄を手掛け、デスク兼記者・予想家として約20年間紙面を汚す。その後、別のジャンルで新聞記者を務めながら競馬は続け、気がつけば「馬じぃ」に。

最終更新:5月23日(土)16時56分

 

 ノットフォーマルは逃げるのか?

 

 伝説のダービー制覇から四半世紀。中野栄治師(62)が今度は調教師として東京芝2400メートルに挑む。牝馬2冠目の「第76回オークス」は混戦模様で、桜花賞5着のノットフォーマルも虎視たんたん。狙うは中野師がアイネスフウジンに騎乗して逃げ切った90年ダービーの再現だ。

 90年5月27日は日本競馬史に残る一日となった。レコードとなる19万6517人で立すいの余地もない東京競馬場。世紀の逃げ切りを演じたアイネスフウジンの馬上で中野師は祝福の「ナカノコール」を浴びた。

 あれからちょうど25年。「早いね。年を取るわけだよ」。少し遠い目をした中野師。今度は調教師としてノットフォーマルで同じ舞台に挑む。調教師に転じてからもスプリントG1・2勝のトロットスターなど活躍馬を出してきたが、東京芝2400メートルのG1に管理馬を出走させるのは初めて。「位置にはこだわらない馬だけど、スローでだんごになったら切れる馬にやられる。有力馬に追い込みタイプが多いから、離して逃げたら面白いんじゃないか」と大逃げすら視野に入れている。

 前走・桜花賞は2番手からしぶとく粘って5着。フェアリーSの勝ち馬ながら16番人気と前評判は低かったが、関東馬最先着で意地を示した。「展開も向いたとはいえ、大したもの。前走から良くなっているし、精神力が強くてカイバ食いなどの不安がないのがいい」と目を細める。

 鞍上は中野厩舎所属でデビューした黛。他の上位騎手からも“売り込み”があったが、師は桜花賞前から「オークスまで黛でいく」と明言していた。自身はアイネスフウジンの皐月賞を1番人気で2着に敗れたが、続くダービーも手綱を任された。「今はいい馬は実績のある騎手に乗り代わることが多いが、この方が“絵になる”でしょう。弟子だし、自分で(重賞を勝って)チャンスをつくったんだから」と師。黛も「ムキになるタイプじゃなくて乗りやすいから、2400メートルが嫌だなという不安はない。チャンスをもらったし、遠足気分ではない楽しみがある」と意気に感じている。

 「流れひとつ。人気の差し馬に乗ってたら、なかなか動けないものだよ」。騎手心理を知り尽くす師はニヤリと笑った。一発を狙う大舞台。ノットフォーマルが鮮やかな逃げ切りを演じた暁にはマユズミコールに続いてナカノコールまで湧き起こるかもしれない。

 ≪「○○コール」の元祖≫88年にJRA移籍した芦毛の怪物オグリキャップが第2次競馬ブームを巻き起こす中、アイネスフウジン伝説が起きた。

 20年目の37歳中野は華麗な騎乗フォームでJRAのCMに起用される一方、若手の台頭に騎乗数は減っていた。弥生賞4着、皐月賞2着に敗れていたアイネスだが、中野は己を信じて逃げまくった。直線入り口で迫る21歳武豊&ハクタイセイを突き放す。残り100メートル、22歳横山典&メジロライアンが大外から伸びた時、勝負は決していた。2分25秒3の堂々のダービーレコード。一部若者から起こった称賛のコールは東京のマンモススタンドを覆い尽くした。

 「ナ・カ・ノ!!ナ・カ・ノ!!」

 伝説のナカノコール。同じ90年12月有馬記念でラストランを飾ったオグリキャップの「オグリコール」など、勝者に送られる「○○コール」の元祖だった。

 
 
ココロノアイは逃げるのか? 
 

【オークス(日曜=24日、東京芝2400メートル):美浦=聞かせて!核心】

 トライアルの中でも王道とされるチューリップ賞を制し、本番直前には栗東入りして万全の態勢を敷いたココロノアイだったが…。桜花賞では10着大敗を喫して、大きく株を下げてしまった。しかしオークスの舞台はアルテミスS勝ちを決めた東京で、いわば“ホーム”。管理する尾関知人調教師(43)も巻き返しへの手応えは十分だ。

 ??桜花賞を振り返って

 尾関調教師:極端なスローペースになってしまったから…。難しい競馬になった割に、道中はうまく我慢してくれて、折り合いは問題なかった。結果は残念でしたけど、負けたことをしっかり糧にしたいと思っています。

 ??中間の状態は

 尾関調教師:思っていたよりも疲れは出ましたが、(南ウッドの)1週前追い切りではこれまでで一番強い調教を課してもカイバ食いが落ちなかった。前回(452キロ)より少し減っての出走になりそうですが、気にしていませんし、馬が自分で長距離仕様の体にしている感じ。体調自体は上向いていると思います。

 ??最終追い切り(20日)は横山典を背に坂路で4ハロン52・7秒

 尾関調教師:動きは非常に良かったですね。フォームが最後まで乱れることなく、坂を上がってきました。先週の時点で長めをこなしていたので、直前はウッドで短めにするか、坂路にするかで悩みましたが、前日の雨で馬場が渋ったので坂路でいい負荷がかけられそうだな、と。予定より前半の入りは速くなりましたけど、時計的にも十分な内容です。

 ??東京の2400メートルという舞台設定については

 尾関調教師:(新潟を含め)左回りで結果が出ています(2戦2勝)。アルテミスSの内容からも、2400メートルに距離が延びてもこなせるスタミナ、ポテンシャルは備えている。折り合いの心配はありますが、多少かかったとしても、さほど気にしなくていいくらいのつもりでいます。

 ??巻き返しへの意気込みを

 尾関調教師:スタートが決まるかどうかの問題はありますが、極端な話、逃げ切りを狙ってもいいのではと思っています。まあ、そのあたりはジョッキー(横山典)にお任せしますが、ここは春の集大成になるレース。無事にターフに送り出して、いい競馬をさせたいですね。