ルメール騎手・デムーロ騎手|JRA騎手合格記念、ルメール騎手データ

 

 ルメール騎手喜びの声

 2015年度のJRA騎手免許試験の合格者が5日発表され、ミルコ・デムーロ騎手(36)=イタリア=と、クリストフ・ルメール騎手(35)=フランス=が合格した。国内外でG1を数多く勝っている外国人騎手が、通年のJRA騎手免許を取得するのは初めて。05年の有馬記念で無敗のディープインパクトを下すなどJRAでG1レース5勝を挙げているルメールは「日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい」と宣言。世界の一線級2人の日本参戦が、さらなる日本の競馬のレベルアップへの起爆剤となるか注目だ。

 日本競馬の歴史が動いた。94年にリサ・クロップ(44)=ニュージーランド=が初めてJRAの短期免許を取得してから21年。ついにJRA外国人ジョッキー、クリストフ・ルメールの誕生だ。「スカイプ(インターネット電話)で妻と話している時に知りました。合格の瞬間を共有できた。とてもうれしい」。仏の名手は一日2時間の勉強で覚えた日本語を交えながら喜びを口にした。

 13年に外国人にも門戸が開かれたJRAの騎手試験。世界的大馬主、アガ・カーン殿下との契約を結んでいた当時は受験できなかったが、新しい一歩を踏み出す覚悟はできていた。「日本は毎週末、競馬があるし、環境も素晴らしく、組織がしっかりしている。世界でベスト。僕のいるべき場所だと思った」

 同殿下との契約が終わった昨年、初受験。フランスで日本語の家庭教師をつけ、10月に英語の筆記で行われたJRA騎手免許1次試験に合格。同月下旬には来日し、今年1月27日に日本語で行われた2次の口頭試験も見事パスした。

 昨年11月の京都競馬で落馬。右脛(けい)骨を骨折し、ボルトが7本入るほどの大けがを負ったが、回復は順調。免許が下りる3月1日からレースに騎乗する予定だ。「一番勝ちたいのは日本ダービー。ダービーはどの国でも重要なレースだから」

 そして、夢は世界へ―。「日本で何年にもわたって騎乗してきた。私自身、凱旋門賞をまだ勝ってないし、日本の馬で勝って恩返ししたい」。母国フランスで行われる最大のレースで、日本のジョッキー、ルメールが日本の悲願をかなえてみせる。(橋本 樹理)

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日、フランス生まれ。35歳。99年にフランスで騎手免許を取得。仏ダービー、英チャンピオンS、香港C、豪メルボルンC、米BCジュヴェナイルフィリーズターフ、ドバイ・シーマクラシックなど、世界主要G1を次々制覇。02年から毎年、短期免許で来日し、JRA通算1964戦245勝(G1レース5勝)。

 
ルメール騎手で衝撃と言えば
ハーツクライの有馬記念(あのディープインパクトに勝利した)
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